オススメアメコミ紹介第18回:デッドプール:スーサイド・キングス
さて、今週もお届けするデップー週間。
今回紹介するのは「デッドプール:スーサイド・キングス」だ。
なお、スーサイドとは「自殺」という意味だ。
大まかなストーリー
今日も今日とて傭兵業に精を出そうとするデッドプールだが、ある日、購読している雑誌「月間特殊部隊」にて「本年度の傭兵大賞」という広告を目にする。
賞金につられてのこのこと会場までやってきたデッドプールだったが、案の定罠だった。
しかし、そこは凄腕の傭兵デッドプール、あっさり刺客を返り討ちにする。
この一件はコンラッドがデッドプールを雇うために用意されたものだったのだ。
コンラッドはとあるヤクザに借金をしてしまい、それが膨れ上がって返済不可能になってしまったので踏み倒すためにデッドプールに胴元の暗殺を依頼しようとしていたのだ。
いいところのボンなので払う金はあったため、100万ドルで仕事を引き受けたデッドプールは、早速胴元をぶっ殺すために胴元のいるマンションに向かった。
だが、これも罠だった
マンションごとふっとばされるも、当然のごとく無事だったデッドプールはコンラッドのもとに向かうが、すでにもぬけの殻であり、それどころかマンションを爆破したテロリストとして追われるハメになってしまった。
疑いを晴らすため、そしてナメたマネしたコンラッドをぶっ殺すために行動を始めるデッドプール。
しかし、そんなデッドプールを追っているのは、警察やFBIだけではなかった。
正義のためなら人殺しも辞さないヒーロー、「パニッシャー」もデッドプールを追跡し始める。
更には「デアデビル」や「スパイダーマン」も事件に巻き込まれ、やがてデッドプールは黒幕を突き止める。
果たして、デッドプールはこの自体をどう乗り越えるのか。
というのが大まかなストーリーだ。
ストリート系ヒーロー大暴れ
彼らは皆世界を救うヒーローというよりも、地域密着型ヒーローだ。
そんなヒーローたちがこのお話の中では大活躍をする。
特にパニッシャーはとことん大暴れだ。
何しろ相手は不死身で知られている傭兵であり、パニッシャーは殺すことに何のためらいもない男。
電話を逆探知してピザ屋に変装して後ろから射殺しようとしたり、何気なくドアを開けたらいきなり斬りつけてきたりと執拗かつ容赦が全く無い。
更にはヴィランの武器を活用して殺しにかかるなど、情けという言葉が一文字も存在しないパニッシャーは見ててスカッとするほど徹底した殺し屋ぶりだ。
ドクター・オクトパスの触手アーム。なお、これは復元したもので本人のものではない。
もちろん、デアデビルもスパイディもそれぞれ大活躍だ。
デアデビルはハードボイルドでかっこいいし、スパイディは相変わらず軽口を言う。
彼らがどんな形でデッドプールに協力するのか、それはコミックスを買って確かめよう。
短編ストーリー
本作には、もう一つのエピソードが収録されている。
それが「ゲームズ・オブ・デス」だ。
こちらは本作とはまったく関係のないエピソードだ。
大まかなあらすじを言うと、とある大富豪のドラ息子を探すため、アングラ番組に返送して参加することになったデッドプールのお話だ。
もちろんまともな番組ではなく、参加者の殆どが死ぬ番組だ。
こちらも本作に劣らずかなり残酷描写が多めだ。
クビが吹っ飛び、のこぎりで真っ二つになり、火炎放射であぶられたりもする。
だが、コミカルに描かれているのでそこまでグロくはない。
果たして、デッドプールは依頼を完遂できるのか、コミックを買って確かめよう。
感想
今作はデッドプール翻訳本第二回として発売された本だ。
で、感想だが、面白い。
いろんなヒーローが出てくるのが嬉しいし、デップーらしくふざけながらも決めるときは決めてくれる。
デッドプールが好きなら是非読んでおきたい一冊とも言える。
しかし、あえて不満点を言うとするならば、アメリカのテレビ番組やスポーツチームなど、その他様々な小ネタがわりかし多いので、全く詳しくなかったら小冊子の解説がなければ少しわかりにくいネタがやや多め。
逆に言えば、詳しかったらまったく問題なく楽しめるので、そうでない場合は解説小冊子は必須といえる。
なくても十分面白いが、できるだけ小冊子は無くさないように読もう。