アメコミキャラクター紹介第六回:バットマン
当初はマイナーなアメコミキャラばかりを紹介していこうとしていたのに、すっかりメジャーなアメコミキャラしか紹介しなくなってしまった。
ブログが軌道に乗ったらマイナーどころばかり紹介していきたいな。
それまでは初心者のためのブログを続けていこう。
というわけで、今回のヒーローは「バットマン」だ。
アニメ版のバットマンのOP。いま見てもセンスがかなり良い。
ゴッサムを守護する闇の騎士
何度もこのセリフを言っている気がするが、もはや説明が要らないくらい有名なヒーローだ。
コウモリのようなコスチュームに身を包み、ゴッサムシティを悪の手から守り続けているヒーローだ。
昔、家族と映画を観に行った帰りに、両親を悪人に殺された少年、「ブルース・ウェイン」は、悪に対する復讐を誓った。世界各国を周り、体を鍛え、精神を鍛え、悪に対向するために、ありとあらゆる技術を身につけた。
そして、両親から受け継いだ資産を活用し、様々な装備や技術を開発していった。
そして、悪党に恐怖を与えるためのコスチュームを思案している際、闇夜からコウモリが飛んで行くのを見て、コスチュームのデザインを思いついた。
こうして、バットマンは誕生した。
普段は、飄々とした財界のプレイボーイ、ブルース・ウェインを演じ、夜になると、闇に紛れてゴッサムを守るヒーロー、バットマンとして活動するのだ。
能力
バットマンの肉体的能力は、アメコミヒーローの中では低い部類に入る。
人間が得られる限りの最高の頭脳、身体能力、格闘技術と、悪を退治するために開発したハイテク装備を駆使して悪党と戦う。凄いことは凄いが、それでも他のヒーローと比べると圧倒的に弱い。
スーパーマンやワンダーウーマンのような人間離れした身体能力の足元にも及ばないし、グリーンランタンのリングのような驚異的な装備でもない。
しかし、それでもバットマンは最強クラスのヒーローとして君臨する。
その理由は、狂気ともとれる執念と、狡猾な頭脳にある。
バットマンは、ありとあらゆる手段を用いて、敵と戦う。時にはパワードスーツを用いたり、時には話術で相手を騙し、時には弱点を研究し、対戦相手に特化し戦い方をする。
よって、相手がどんなに強くても、その頭脳を持って対抗策を徹底的に考え、前もって入念な準備を施し、強敵に立ち向かうのだ。
年老いて、バットマンを引退したあとの作品「ダークナイト・リターンズ」では、またヒーロー活動を再開し、とある事情によりスーパーマンと戦うことになったが、それでもあの手この手を使い、スーパーマンを追い詰めていく。
結末は翻訳されているのでぜひ買ってほしい。
また、バットマンも、他のヒーローと同じく、殺人は犯さない。また、過去のトラウマからか、銃も使うことはない。
まあ、表紙ではこんなことしちゃってるけどね。
http://dc.wikia.com/wiki/File:Batman_15.jpgより。
悪に対する執念は凄まじく、バットマンの宿敵として有名な「ジョーカー」にすら狂人呼ばわりされているほどだ。
また、殺人を犯さないため、ゴッサムで活動する悪は刑務所かアーカム・アサイラム(精神病院)に叩き込まれるが、出社したり脱走したりして、また懲りずに悪事を働くため、ゴッサムシティは犯罪のるつぼと化し、治安はかなりひどいことになっている。
また、「バットマンの狂気が悪党を呼んでいるんじゃないか?」という作品も作られ、かろうじて正気を保っている狂人として書かれることもある。
だが、基本的には悪を憎み、弱きを助ける正義漢であり、人のために悪と戦う立派なヒーローであることに変わりはない。
そして、バットマンも悪により人生を踏み外された哀れな人間なのだ。
もし、悪党に両親を殺されなかったら、ブルース・ウェインは一人の善良な市民として、まっとうな道を歩めたであろうし、苦悩や終わることのない戦いの道に足を踏み入れることはなかったであろう。
狂気に支配されず、正義の為に戦い続けるバットマンは、やり方こそえげつない時もあるが、高潔な闇の騎士であることに変わりはないのだ。
信頼されているが、信用はされていない
バットマンは、ジャスティスリーグの重鎮メンバーとして活躍している。
ジャスティスリーグとは、わかりやすくいえばアベンジャーズのようなものだ。スーパーマンやフラッシュなど、DC界のアメコミヒーローたちで組んだヒーローチームだ。
そこで、バットマンはその財力と優れた頭脳で仲間たちのサポートに大きな貢献をしているが、まったく信用されていないし、バットマンも仲間を信用していない。
具体的にいうと、仲間を監視するための監視衛星を秘密裏に打ち上げていたり、弱点を全て調べていたりと、仲間に対しての対抗策も完全に把握している。
そんなことをしているためか、親友が全くと言っていいほど居ない。
ジャスティスリーグの中では比較的仲の良いスーパーマンでも、その悪に対する容赦の無さに対してはしばしば衝突をしている。が、心の底ではお互いが尊敬し合ってはいる。
ちなみに、バットマンはスーパーマンの弱点であるクリプトナイトを大量に保管している。
しかし、バットマンにだって考えがあるのだ。
スーパーマンは善人だ。悪党を殺すことはしないし、困っている人がいたら絶対に助ける。
しかし、もしスーパーマンが悪になり、人も平気で殺せるようになったら、あっという間に大惨事になってしまうし、誰も止めることは出来ない。
「誰が見張りを見張るのか」
その考えのもと、バットマンは何が起きても良いように、仲間に対しても容赦なく弱点を探るのだ。
ダーク・ヒーローから、心正しき正義の味方、果てはコミカルなキャラクターまで
バットマンは、過去様々なメディアミックスがなされている。
とくにアニメや実写版などは何度も放映されており、様々なバットマンが生まれた。
今回のトップ画像である「バットマン・ジ・アニメイテッド」はかなり評価が高く、このアニメの設定が原作へ逆輸入されていることもある。
DVDも出ているので是非買って観てほしい。
しかし、話数がバラバラでしかも全話収録されていないのでかなりやきもきする。
アメコミブームが起きたら全話収録されないかなあ…旧声優版で。
他にもお勧めなのが実写版バットマンだ。
20代の人は聞いたことがある曲だろうと思われる。
このイントロの、マントを翻しタイトルになるところはいま見てもかっこいいと思う。
しかし、内容はコメディそのものである。
原作や映画「ダークナイト」では、えげつない悪事ばかりを働いているジョーカーが芸術作品に絵の具をまき散らすことを目的に画廊を襲撃したり、謎掛けを用いた悪事を働くヴィラン「リドラー」の罠で、バットマンの頭上にタライが降ってきたりと、お子様でも楽しめるお話となっている。
そして、大抵前後編であり、毎回前編の物語の最後はバットマンたちがピンチに陥り次回に続く。という内容になっている。
一昔前のアメコミを忠実に再現しているような作品であり、非常に面白かったが、DVD化してないため観ることは出来ない。
ダークナイトDVD化するくらいならこっちをDVD化しろよ!と言いたくなる。また見たいなあ…。
しかし、バットマンオリジナルムービーはDVD化してるので、こちらは是非チェックしよう!
ダークナイト見たあとこっちを見ると、本当にバットマンか?と疑いたくなるほどバカバカしく、面白く、そしてダークでかっこいい空気がぶち壊しになるから。
なんだよバットサメよけスプレーって。
また、現在もアメリカで放送されているアニメ、「バットマン・ブレイブ&ボールド」 では、仲間の誰からも信頼され、そして本人も立派な正義漢としてまっとうにかっこいいヒーローとして描かれている。よくヴィランに捕まってるけど。
おすすめコミック
結構いろんな作品が翻訳されているし、長編短編選り取りみどりだ。
最近翻訳されたものでお勧めなのが、「梟の法廷」からなる三部作だ。バットマンらしさを感じることのできる良作だ。しかし、三部作なので集めるのは少しお金がかかるかも。
他にも、「ハッシュ」も最近出たバットマンコミックの中ではおすすめ。こちらもヴィランがたくさん出てるし、シンプルに面白い。
これは昔、8マンの作者、桑田次郎先生が描いたバットマンだ。アメコミではないが復刊されたので宣伝しておく。
ヒーローが沢山見たいなら、ジャスティスリーグがおすすめ。