オススメアメコミ紹介第9回:バットマン:リル・ゴッサム
アメコミを全く読んでない人にとって、アメコミのイメージはどんなものなのだろうか。
フルカラーで、マッチョな全身タイツが大ゴマで敵をぶん殴る。
そんなイメージを抱いている人は実に多いと思う。
そして、それは結構間違っていない。
しかし、それだけではないのだ。
ストーリーも、ヒーローが葛藤したり、ヴィランがあくどいことやったり、ヒーロー同士で争ってばかりだというイメージを抱いている人は実に多いと思う。
そして、それは結構間違っていない。
しかし、やはりこれもそれだけではないのだ。
アメコミだって、ほのぼのとしたお話や可愛い絵柄の漫画はたくさんある。
ただ、それが翻訳されてないだけなんだ。
というわけで、今回はそんな可愛い絵柄でほのぼのとしたお話を紹介するぞ。
見よ!この可愛らしい表紙を!
表紙にふさわしく、中も実に可愛らしい世界になっているぞ。
バットマンといえば、ジョーカーのようなえげつない悪党どもをバットマンがあの手この手で捕まえたりするお話であり、今度公開されるバットマンVスーパーマンではスーパーマンと殴りあうという、上記で説明したアメコミのイメージそのままな漫画だが、今回はそんな世界は忘れて、楽しく読めるぞ。
少なくとも下図のようなダークでバイオレンスなページは存在しない。
リル・ゴッサムとはなんの関係もないシーンです。
ストーリー紹介
本作は「祝日」をテーマに描かれた短篇集だ。
クリスマスやバレンタインデーと言った日本でも馴染みの深い祝日から、シンコ・デ・マヨや、感謝祭と、あまり馴染みが無いお祭りもあり、様々な祝日のイベントを軸に、バットマンやヴィランのエピソードを見ることが出来るぞ。
この作品の特徴として、とにかく可愛らしいという点が挙げられる。
キャラが、ストーリーが、とにかく読んで和むのだ。
上では物騒なこと言いながらジョーカーの首絞めてるバットマンが七面鳥に四苦八苦したり、ロビンがハロウィンでヴィランのコスプレをしている子供に襲いかかろうとしたりと、最近主流のバットマンの殺伐とした世界観とは実に無縁な暖かさがある。
この世界では、ジョーカーすらもこんなかんじだ。
見よ!この気の良いあんちゃんっぽい空気をまとわせたジョーカーを!
コレが↑
こーなるんだぞ!
ちなみにこの後惚れ薬をうっかり浴びてしまい沢山の女性(ほとんどヴィラン)に追い掛け回されるというお色気漫画の主人公みたいな目に遭うジョーカー。
ちなみにその頃バットマンは、男性陣と一緒に宇宙でダベってた。
スーパーマンも結構苦労しているのだ。
他にも、父の日でラーズ親子とゴードン親子がチャイニーズレストランで相席になり、殺伐とした雰囲気になったりする。
娘のタリアとバーバラ。このシーン見るとにんにく焼きそばが無性に食いたくなる。
とまあ、そんな和やかでクスリと笑えるエピソードが沢山詰まっているのが、リル・ゴッサムだ。
子供に読んでも面白いバットマン
バットマンは面白い。
しかし、子供が読んでも、同じような感想が来るだろうか?
バットマンかっこいいって感想くらいで、ストーリーはよく分からなかった。という感想を持つほうが多いんじゃないかと思う。
しかし、この漫画は別だ。
子供が読んでも面白いと思わせてくれるバットマンだし、筋肉モリモリマッチョマンに辟易している人にも楽しめる漫画だ。
言うなれば、現代の万人向けバットマンといったところだろうか?
一昔前の万人向けバットマン。映画「ダークナイト・ライジング」でもコレと似たようなシーンが。
面白いことは面白いが、初心者向けとしてはどうだろうか?
個人的な意見だが、あまり向いてないんじゃないかと思う。
確かに面白いし、可愛らしいが、翻訳されているバットマンのほとんどは、リル・ゴッサムとは真逆のダークなストーリーだ。
リル・ゴッサムのような雰囲気を期待したら見事に裏切られることうけあいなので、本作を楽しみたいならいろんなバットマンを読んでからか、もしくはバットマンはリル・ゴッサムのみ読むかにとどめておいたほうが良いかもしれない。
ただこれだけは言える。
この本すごく好きだ。