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オススメアメコミ紹介第12回:Saga

敵対勢力同士での禁断の恋愛。

これはシェイクスピアの時代から続いている物語のテンプレだ。

21世紀になってもこのテンプレは大人気であり、今回紹介する作品「Saga」はそれに亜人とSFとファンタジーをミックスした傑作だ。

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Saga(以下サーガ)は、アメリカでも大好評を博している作品だ。

ヒューゴー賞、アイズナー賞といった賞も獲得しており、今最も注目されている作品でもある。

なお、サーガはイメージコミックス発刊なので、DCでもマーベルでもない。

おおまかなストーリー

銀河最大の惑星「ランドフォール」に住み、科学を信奉する種族「羽人」。

ランドフォールの衛星「リース」に住み、魔法を信奉する種族「角人」。

このに種族の争いは、全宇宙を巻き込むほどの巨大なものへと発展していた。

そんな中、羽人の兵士である「アラーナ」と角人の兵士である「マルコ」は、戦争の最中恋に落ちた。

敵対している種族同士の恋愛など許されるはずもなく、二人は軍を脱走し、駆け落ちをする。

軍の追手から逃れ、ひっそりと隠れ生活をする二人の間に、やがて子供が誕生した。

ここから、物語は始まる。

子供を産み、安堵と幸福の空気に包まれるのもつかの間、追手の兵が二人の元へやってくる。

追手の目的は二人の命、そして生まれたばかりの二人の子供「ヘイゼル」

更にはフリーの賞金稼ぎ、ロボットの惑星の王族まで差し向けられ、2人の命を容赦なく狙う。

一家は無事に逃げ、惑星から脱出できるのか。

家族の運命やいかに。

 

主な登場人物

サーガはファンタジーとSFの融合体だ。

それ故、神秘的な存在や科学的な存在、他にもスター・ウォーズのような異星人も沢山登場する。

ここでは、そんな登場人物を紹介していこう。

 

マルコ一家

あえてひとくくりで紹介しよう。

マルコはヘイゼルのお父さんで、一家の大黒柱だ。

剣の使い手であり怒ると強いが、善良な父であろうと誓いを立て、剣を捨てる。

そのためへその緒を剣で切らずに噛み千切ろうとしたりする。

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この家にはハサミはないのか。

作中で一度死にかけるが、その際かつての婚約者の名前を言って修羅場になりかけたりする。

その妻のアラーナは、そんな夫を愛し、支えている。

男勝りな性格であり、麻痺銃を持っているが、そのことでマルコに苦言を呈されている。

愛情深く、何事も決して諦めない芯の強さを持つ彼女だが、怒ると怖い。

そして、生まれたばかりの娘ヘイゼル。

彼女は角人の角と、羽人の羽を持って生まれた少女だ。

まだ生まれたばかりなので喋ることはないが、この物語は成長したヘイゼルの回想録として描かれている。

それ故、ナレーションは全てヘイゼルが語っているのだが、どのような生き方をしたのかはまだ明らかにされていない。

家族揃って幸せな幸せな人生を歩んでいるのか、まだ逃亡生活を続けているのか。

それは今後の展開を楽しみに待とう。

 

プリンス4世

そんな一家を追跡するランドフォール側の追跡部隊を指揮するのが、王族の一人であるプリンス4世だ。

顔がTVモニターで、初登場シーンが濡れ場というインパクト大な登場をした彼は、貴族らしく少し傲慢なところもあるが、中々の苦労人だ。

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これは年齢制限設けたほうがいいのか凄く悩んだが無修正で。

やっと戦地から戻ってきたかと思えば一家の追跡部隊の責任者として任命され、しかも任務を終えるまで妻が子供を産んだとしても戻ってくるのは許さないと通告される。

そんな彼は顔面がTVモニターで表情が読めないのに、実に感情たっぷりに描かれている。

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がんばれプリンス。そのトイレ落ち着いて出来そうにないけど。

 

ウィル

角人側が雇ったフリーの賞金稼ぎであり、腕前は確か。

うそつき猫という嘘を嫌う猫と一緒に行動している。

角人からもらった必要経費の支払いをしてくれるカードを貰うなり、真っ先に色街に行ったりする自由な人だ。

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この後エロ同人のような展開が…!?

ポン引きに年齢一桁の幼女を紹介されたりかつての恋人で同僚の賞金稼ぎがプリンス一行に射殺されたりと受難が続くが、金のために一家を追跡する。

ついでにプリンス一行にもけんかを売ったりする。

人は殺すが悪人ではなく、割といい人っぽい。

 

イザベル

イザベルは成り行きでヘイゼルのベビーシッターになった幽霊だ。

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画面真ん中の色々はみ出している子がイザベル。

地雷で死んでしまった少女の幽霊だが、特に悲観的になること無く森で平和に暮らしていたが、外の世界に行くため、ベビーシッターとして一家に同行することに。

生前は沢山兄妹が居たので赤ん坊の面倒はそれなりに見れるし、色々育児のアドバイスをしたりする非常に優しい子だ。

なお、幽霊だからか日中は消えている。

 

他にも物語が進むに連れ様々な魅力ある登場人物が登場する。

感想

許されざる愛。

そして危機一髪の逃走劇。

冒頭でも語ったように、ストーリーの根っこは大昔からある典型的な物語だ。

それが非常に面白い。

こんなことならもっと早く読めばよかった。そして二巻を買えばよかった。

そう思わせてくれるアメコミを久々に読んだ。

王道のストーリーを彩るSFの設定、魅力的なキャラクター、珍妙な造形の生物。

どれもこれもが非常にツボ。

ファンタジーとSFの融合とか大好き。

お値段も1800円と(アメコミの中では)お手頃価格だし、9月には3巻も発売される。

完結まで翻訳されるかどうかはわからないが、読んで損のないどころか非常に面白い名作なので、ぜひ読んでみよう。

亜人、科学と魔法、家族愛、エロ要素。

これらキーワードにピクリとでも反応したなら、ほぼ確実に満足できることうけ合いだ。