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アメコミを読もう!~アメコミ情報ブログ~

アメコミを読み始めたい、どんなヒーローが居るのか知りたい。そんな人のためのブログにしていきたいと思います

オススメアメコミ紹介第11回:ウォッチメン

ブログ初期でも紹介したが、もう少し詳しく紹介したい。

なぜなら今回紹介する本は、個人的にかなり思い入れがあるからだ。

だけどいつもと同じように紹介するぞ。

ウォッチメンだ。

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ウォッチメンは、アラン・ムーア氏とデイブ・ギボンズ氏のタッグによって、1986年から1987年の間に連載された漫画である。

ウォッチメンは、非常に高い評価を受け、カービー賞、アイズナー賞(漫画におけるアカデミー賞のようなもの)の他にもヒューゴー賞(SFにおけるアカデミー賞のようなもの)を受賞しており、2015年8月現在で、唯一同時受賞している作品がウォッチメンだ。

※8月20日追記

と思ったら「Saga」も同じくアイズナー賞とヒューゴー賞を同時受賞していた模様。

なお、ウォッチメンは特別賞を、Sagaはグラフィック・ストーリー部門グラフィックノベルやコミックのための部門。2009年開始)をそれぞれ受賞しています。

なお、カービー賞はアイズナー賞の前身であり、1987年になくなりました。

こちらの知識不足でした。申し訳ありません。

 

まあ一言で言うと、すごい偉業を達成した本だということだ。

事実、この本と同時発売されたバットマンダークナイト・リターンズ」は、当時子供の読み物と見られていたアメコミを、大人も楽しんで読めるものだと認識され、大人になって読まなくなったファンもアメコミに引き戻したといわれている。

ピンと来ないのだったら、プリキュアがあらゆる意味で凄くリアル路線になったので、アニメを見ない大人たちが大きなお友達になったと考えよう。

だいたいそんな感じだ。

 

あらすじ

時は1985年10月。

ソ連との関係がかなり冷えきって一触即発の時代だ。

ある日、ニューヨークの高層マンションで「エドワード・ブレイク」という人間が殺された。

死因は転落死。

警察が捜査を終え撤収したあと、一人のマスクを被った男が現場へ侵入したことからこの物語は始まる。

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男の名は、「ウォルター・コバックス」。

コバックスは非合法のヒーローとして活動しており、またの名を「ロールシャッハ」という。

ロールシャッハが調査をした結果、ブレイクもロールシャッハと同じヒーローであり、正体はかつて仲間だった「コメディアン」というヒーローだったことが判明した。

「誰かがヒーローたちを殺そうとしている」

そう推理したロールシャッハは、かつての仲間たちのもとへ警告に行くと同時に、真犯人を探すべく捜査を開始する。

 

というのがおおまかなあらすじだ。

ここから事態はさらに重苦しく、そして悲惨なことになっていく。

 

世界観

ウォッチメンの魅力の一つに、世界観がある。

「もし、ヒーローが実在したら」

というもしもの世界が描かれており、ヒーローの活躍の影響により、文化、国、道徳、科学など、あらゆる点が現実の70年代とは大きく異なっている。

ヒーローの活躍によりベトナム戦争で勝利し、ベトナムがアメリカの州の一つになっていたり、偉大な天才と文字通りの超人により世界の科学は大幅に進み、電気自動車がすでに存在している。

また、その影響は国のパワーバランスにも大きな影響を与えており、核戦争の危機にさらされていたりする。

なお、作中ではキーン条例というヒーロー活動の禁止により、ロールシャッハを除きヒーローは引退、もしくは国に仕えている。

また、作中ではヒーローや、かつて戦ったヴィランのフィギュアが発売されていたり、ヒーローによる自伝やインタビューが掲載されていたりと、非常にこだわりにこだわった世界観を読むことが出来る。

また、ヒーローと言っても、一人を除けばほぼ常人であり、鍛えたり武装している人間程度の戦闘力だ。

ロールシャッハだってボクシングをやっていたり、フック付きワイヤーガンを装備しているが、警察の集団にはかなわない。

他のヒーローたちも銃弾を喰らえば死ぬし、科学の力を借りなければ空を飛ぶこともできない。

ただし、そんな常人ヒーローの中には至近距離から撃たれても銃弾を素手でキャッチすることの出来るやつも居る。

そんな常人がいてたまるか。

ストーリー

もちろんストーリーも秀逸だ。

簡単に説明すると、かなり暗くて重い。

複雑な人間模様や、黒幕の陰謀、そして核戦争寸前のアメリカ。

これらが渦巻く中、物語は淡々と進んでいく。

また、ヒーローたちの話だけではなく、町の人々の生活のエピソードも描かれている。

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この二人は物語には絡まないが、最後まで読むとその結末に唖然とする。

物語ラストには、ヒーローに関わった人たち、関わってない人たち、少しだけ関わっている人たち。

そんな人達が最後にリンクし、そして衝撃的な結末を迎えるところは個人的に凄く引きこまれた。

ココらへんは是非本編を読んでほしい。

 

キャラクター

世界観、ストーリーとくれば、キャラクターもやはり魅力的だ。

この作品はいわゆる群像劇であり、主人公は存在しない。

ロールシャッハはいわゆる狂言回し的なポジションとして描かれている。

 

そんなキャラを少しだけ紹介していこう。

いずれヒーロー紹介で詳しく紹介するのであくまでもさわり程度で。

 

ロールシャッハ

ロールシャッハ・テストのようなマスクをかぶっているヒーローであり、この作品のキーパーソン。

「絶対に妥協しない」男であり、その精神の強さは十分超人である。

見た目は凄くカッコ良いが、風呂にはいらない、右翼、無職、オフの日は平日に看板持って町を徘徊していると、非常に近づきたくないタイプの人間だ。

また、尋問の際は相手の指をへし折る。

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※ヒーローです。

 

二代目ナイトオウル

こちらで紹介したヒーロー、「ナイトオウル」の二代目だ。

家の遺産で装備を開発し、装備して闘うヒーローであり、小型飛行船を所持している。

また、論文を書いたりしているが基本的にはプー太郎のようなものだ。

ヒーロー活動をしていた頃はロールシャッハのパートナーだった。

性格はいたってまともな常識人だが、「もしレストランで急に悪人が襲ってきたら」といった中学生のような妄想をし、そのとおりに行動しそうになったこともあったある意味狂人である。

ちなみに、ヒーロー引退後はED気味。

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欲求不満でしょぼくれてはいるがそれなりに強いし作中ではかなりまともな人。

 

DR.マンハッタン

DR.マンハッタンは、作中唯一の「スーパー」ヒーローだ。

そんな彼は、元人間だったが、なんやかんやあってこうなった。

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その能力は作中どころかアメコミ世界でも最強クラスの戦闘力を誇る。

その能力とは、原子を操ることが出来るというものだ。

具体的に言うと、巨大化、小型化、分身なども可能な上、手をかざすだけで相手を消滅させることができるし、攻撃は一切通じない。

肉体を消滅させたとしてもすぐに再構成して復活することも出来れば、地球から月まで一瞬でワープできるし火星に巨大な建造物をつくったりも出来る。

まさに神に等しい能力の持ち主である。

もし、自分より強く賢い人間がいなくなったらどうなるか。

その答えの一つが本作には描かれている。

 

他にもヒーローが居るが、尺の都合でカットだ。

またいずれやる予定のキャラ紹介で改めて紹介しよう。

何ヶ月後かな。

なるべく早くします。

 

実写映画版、そしてアニメ版

ウォッチメンは、アメコミ史に残る一冊だと言っても過言ではない。

そんな作品は、やはり実写映画になっている。

作品そのものがエログロ暴力ありのストーリーなので、この映画もR指定の15禁となっている。

そんな本作だが、一部改変はあるものの、非常に原作を再現してくれる。

というか、原作を読まなきゃわからないんじゃないかってところは結構多い。

しかし、一度原作を読んでから映画を見ると、今度は何度も映画を見たくなる。

というのも、各所に散りばめられた原作の小ネタが非常に多いからだ。

しかも、漫画では数行で片付けられたりしたヒーローたちや、暗殺されたコメディアンの暗殺前の様子なども映像化されており、原作ファンならうれしくなる要素も含まれている。

物語ラストで名前が出たメーカーがチラリと登場。

明るいヒーロー物を期待しているなら絶対見る必要のない映画だが、原作にハマったのならぜひ見ることをおすすめする。

個人的にはロールシャッハの例のシーンは映画のほうが好きだぞ。

 

ところが、実はこの映画、実は結構色々もめた作品であり、ヘタすれば原作レイプと言わんばかりの内容になった可能性もある。

具体的にいえば、原作者のアラン・ムーアが映画化にワクワクしながら脚本読んだら今までの好意的な意見から一転大反対をした。

といえばわかってくれるだろう。

ウィキペディアにもそのお話は書いてあるが、映画を見る気があるなら見ないほうが良い。

ネタバレが多いからネタバレ嫌いなら特に。

 

また、映画を作る権利が20世紀フォックスにあった時も非難轟々であり、原作ファンから

「てめえらが作ったらこんなクソになるだろうよ」

という皮肉を込めたジョークアニメまで作られた。

なにげにネタバレや細かい原作再現があり、非常に出来の良いジョークだ。原作か映画を見たら見てみよう。

 

感想

抑えなきゃと思ったのに、普段より長丁場になってしまった。

というわけでさっさと感想を言うぞ。

読め。面白いから。

もう今更アレコレ「ここが面白い」「これが素晴らしい」なんていわない。

読めばわかる。

ただし暗い作品なのでそういうのが苦手な人にはおすすめできない。

暗いお話や重厚なストーリーが好き、もしくはアメコミ通ぶりたいならこれは読んでおこう。

映画はご自由に。