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アメコミキャラクター紹介第八回:ジョーカー

今週は、ヴィラン特集だ。

というわけで記念すべきヴィラン紹介第一回は、バットマンの宿敵「ジョーカー」だ。

「またバットマン関連かよ」と思うかもしれないが勘弁してほしい。

多分来月にまたバットマン関連の話を書くことになると思う。

ヴィランで真っ先に紹介したいキャラクターだし、非常にメジャーなヴィランといえばジョーカーがまっさきに思い浮かぶんだ。

では、さくっと紹介しよう。

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ジョーカーの表紙。非常に怖い。内容もなかなか良かったです。

 

オリジン

ジョーカーの正体は、不明である。

というのも、エピソードごとにジョーカーのオリジンがコロコロ変わるからである。

ある時は売れないコメディアンが妻のために犯罪に走り、化学薬品の溶液に事故で落ちてしまった結果狂ってしまい、ジョーカーになった。

ある時は下っ端のギャングだったが、バットマンとの戦いでうっかり化学薬品の溶液に落ちてしまった結果、狂ってしまいジョーカーになった。

他にも様々な理由があるが、オチは大抵事故で化学薬品の溶液の中に落ちてしまう。

いい加減な設定だなと思うかもしれないが、実はこれは全てジョーカーの妄想によるつくり話だ。

本人がすでに狂っており、過去の記憶が錯綜しているので、本当にジョーカーになった原因というのは本人すらもわからない。

そして、ジョーカーの過去の姿もわからない。

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これは、元はレッドフードと名乗っていた悪人がジョーカーになった時のエピソード。

映画版などでは正体が判明している時もあるが、それはそれ。結局ジョーカーがどこの誰かというのは、本人も含め、誰もわからないのだ。

明ることは唯一つ。ジョーカーは犯罪を楽しみ、特にバットマンを困らせることを特に好んでいるのだ。

そのためなら人殺しも辞さないし、動機も狂っているのでまったく予測できないという。警察が最も手を焼く種類の悪党である。

 

能力

主に、胸につけてるコサージュ(花飾りのこと)から酸や、催涙スプレーなどの隠し武器、不意打ち用に手に仕込んだ高圧電流が流れるスイッチ、銃、その他いろいろなジョークグッズ型の凶器を用いて戦うのがジョーカーだ。

大物ヴィランとして君臨しているジョーカーだが、身体能力はヴィランの中では非常に弱い。

並の人間に毛の生えたような身体能力であり、殴り合いだけなら他のヴィランのほうが圧倒的に強いし、本人もそこまで強くはない。

しかしジョーカーの恐ろしさは殴り合いに強いことではない。

本当の恐ろしさは、何をしでかすかわからないクレイジーなところである。

最初期は実写版バットマンよろしく、犯罪や人殺しこそすれどもどことなくユーモラスだったが、だんだんと犯行内容がえげつないことをしていくようになる。

 

例1、バットマンの仲間であるバットガールの自宅を襲撃し、半身不随にする。

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しかもこの後、養父のゴードン本部長を襲撃し、遊園地に誘拐した後、バットガールの暴行時の写真をジェットコースターに乗せながら長時間にわたって見せつけるというトラウマものの凶事に及ぶ。

これが原因で、バットガールは引退した。

 

例2、バットマンの相棒ロビンを誘拐し、洗脳させ自分の後継者としてバットマンを襲撃させた。

こちらはバットマンアニメ版のお話だが、こちらもこちらでかなりえげつないことをしている。しかもその洗脳手術の様をバットマンに映像として見せつけ嘲笑するなど、やはりこちらもバットマンのトラウマになるレベルのことを行っている。

 

例3、スーパーマンに幻覚を見せ、恋人をスーパーマンの手で殺させた上に街そのものを爆弾で消滅させた。

こちらはゲーム「インジャスティス」でのエピソード。

これが原因で、ジョーカーは怒り狂ったスーパーマンに殺されるのだが、それもジョーカーは計算ずくだった。

この世を悪意あるジョークに満ちさせるため自分の命も軽く捨てる。それがジョーカーである。

このゲームはまた詳しく紹介したいから割愛するが、とにかくストーリーが素晴らしい。ゲーム部分が余り要らないんじゃないかと思うくらいストーリーが面白かったぞ。それもそのはず、このゲームの脚本はアメコミ作家が書いているのだ。

 

映画、ダークナイトでもご存知のように、ヒロインを爆殺したり正しい人間を悪堕ちさせたりと、本当にえげつない。

いっそスーパーパーで殺してくれたほうが楽だと思うほどに絶望を与えて殺してくるので、ただ強いヴィランよりも圧倒的にたちが悪い。それがジョーカーである。

 

バットマンとの戦い

そんなジョーカーの最大の楽しみは、バットマンの嫌がらせだ。

トラウマからヒーローになり、コスチュームに身をまとい悪を殺さずにぶちのめすさまは、ジョーカーにとっては自分と同じ狂人でありながら、偽善者ぶっている奴にしか写っていない。

よって、そんなバットマンを徹底的にバカにし、からかうのが、ジョーカー最大の楽しみでもあり、生きがいなのだ。そのために、ゴッサムシティは毎回巻き添えで多くの人が死ぬ。

ジョーカーの昔のエピソードが書かれた傑作キリング・ジョークでは、狂気を身にまといながらも正気を保っているバットマンを羨ましく思い、しょぼくれているジョーカーが見れる。重要なところはそこじゃないが。

おすすめコミック

キリング・ジョーク」一択だ。

基本的に、翻訳されたジョーカーが主役のエピソードはどれも面白いけどね。

ストーリー、ジョーカーのえげつなさ、どれをとっても完璧に面白い。

ラストのバットマンがジョーカーに手を差し伸べるシーンで、ジョーカーが放つジョークは実に様々な解釈がとれる。

これはぜひ買って読んで欲しいのであえてくわしく紹介しないが、なんとも物悲しさが漂うエピソードだ。

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上の例1のシーンがこれ。ココらへんは本当にえげつなかった。

 

えげつないのは嫌だというのであれば、シーザー・ロメロがジョーカーを演じている実写版バットマンを見よう。いまじゃDVDは映画版しか無いけど。