オススメアメコミ紹介第15回:デッドプール:マーク・ウィズ・ア・マウス
今、デッドプールがアツい。
そう感じるアメコミファンは多いのではないだろうか。
8月9月の新刊ラインナップではデッドプールの新刊が2冊同時に出るし、10月にもやっぱりデッドプールの新刊が出る。それも2冊。
ニューアベンジャーズからシージ完結まで5年ほどかかってゆっくりゆっくり刊行されたのに対し、こっちはあっという間に10月で10冊近くのデッドプール本が発売されるというわけだ。何だこの差は。
デップーファンの皆様方にとっては嬉しい悲鳴を上げたくなるかもしれないが、これからデッドプールを知っていきたいという人にとってはかえって困惑するかもしれない。
なんてったって毎月ごとに二冊増えていく計算であり、どれから読めばいいのかわからなくなるからだ。
全部買えばいいじゃんと思うかもしれないが、あまり詳しくないアメコミに約2万円を突っ込んで楽しむというのはよっぽどのお大尽くらいだろう。
アメコミ情報ブログと言う名前上、このビッグウェーブに乗るしか無いということで、9月までの既刊のデッドプールを一週間に一回ほど順番に紹介していこうという企画をたった今思いついた。
というわけで、ここから本題。
今回紹介する本は「デッドプール:マーク・ウィズ・ア・マウス」だ。
記念すべきデッドプール初翻訳本であり、これ一冊でアクション、コメディ、ゾンビ、恐竜、SF、西部劇が楽しめるという何でもありな一冊だ。
大まかなストーリー
おしゃべりな傭兵(マーク・ウィズ・ア・マウス)として知られる名うての傭兵であるデッドプール。
彼は不死身の体で戦闘の達人、そしてイカレた頭の持ち主として知られている。
そんな彼の今回の雇い主は、世界征服を目論む悪の組織、「A.I.M」だ。
依頼内容は「謎の生物兵器を現地のA.I.Mの工作員と合流後、捕獲せよ」というもの。
シンプルな内容だが、生物兵器の居るところは恐竜もいれば原住民もいる未知の密林世界「サヴェッジ・ランド」だった。
A.I.Mの工作員であり、メガネが似合うセクシー美女「ベティ博士」と合流後、デッドプールは綿密な計画による大立ち回りの末、原住民に捕まった。
そして、ついにデッドプールは謎の生物兵器を発見するが、それはなんとゾンビになった自分の生首だった。
果たしてデッドプールは依頼を完遂することが出来るのだろうか?
依頼を完遂する=世界が破滅するけどそれはいいのか。
というのが大まかなストーリーだ。
見どころ
なんてったってデッドプール主役の邦訳第一回ということで、非常にバラエティ豊かなエピソードがチョイスされているぞ。
まず、スパイ作品のような潜入が行われたかと思いきや、行き先が密林であり、そこにはパニックアクションのごとく原住民や恐竜がうようよいる。
かとおもいきや今度は宇宙で銃撃戦が行われれたりパラレルワールドを旅するSFアクションへと変貌し、挙げ句の果てにはゾンビが現れるホラーアクションになる。
これ一冊でアクションとコメディとホラーをゲップが出るほど楽しめるのが特徴だ。
特に見どころは、沢山のデッドプールが登場するというところだ。
以前別項目でも語ったが、アメコミ世界では当然のごとくパラレルワールドが存在する。
中には真面目な軍人として活動しているデッドプールもいれば。
西部劇のならず者なデッドプール
なお、この世界ではニック・フューリーが保安官をやっている。
中にはなんと女性のデッドプールも居るのだ。
ナイスバディだが素顔はお察し
物語のキーになってるソンビプールもそんなパラレル世界の住人だ。
デッドプールだけではない。
デッドプールの大暴れに巻き込まれる仲間たちもこの物語を面白おかしくしている。
前述したベティ博士の他にもA.I.Mの工作員であり、デッドプールの知り合いに似ている「ビル」や、
後半になるにつれ挙動がカマっぽくなっていくビル
サヴェッジランドの住人で、アニメ、アルティメット・スパイダーマンにも出演している「ケーザー」もちょい役だが出演するぞ。
物語後半はひたすらゾンビの群れで、ヒーローヴィラン問わずゾンビになっているが、それでも生き残っている人たち。
そしてそれを追跡するヒドラやA.I.Mの面々も巻き込み、物語は収集がつかなくなっていく。
どんなオチが待っているか。
それはコミックを買って確かめよう。
デッドプールやアメコミ入門に
デッドプールの情報をネットでしか知らない人のために相当苦労してチョイスしたと思われるこの一冊。
もちろん満点の出来栄えだ。
小冊子で小ネタやデッドプールのオリジンなどを知ることもできるし、いろんなジャンルのエピソードが挟まれ、更にアメコミ特有の「作品途中だけど作画担当が変わりますよ」というのも含まれている。
良くも悪くもアメコミ入門としてもオススメの一冊である。
ちなみに、この作品のエンディングでは次回に続く的な終わり方がしてあるが、2015年9月現在、続編はまだ邦訳されていない。
しかし、このデップーブームを鑑みるに、翻訳される可能性は極めて高いのではないだろうか。
続きが見たい方は、是非購入と布教を。
もちろん新品で購入しよう。
人気作品のためか重版されているので本屋でも比較的見つけやすいし。