番外編のようなもの:任侠沈没
このブログは本当に番外編が多いな!と、我ながら思う。
今回に至ってはアメコミのアの字もない作品の紹介をするぞ。
ついでに、告知しておこう。
現在、過去記事のリメイクを企画中だ。
画像を追加したり訂正したりいろいろとやる予定です。
中には最初から書き直すものもあるかも知れない。
リライトした記事はきちんと告知させていただきます。
なお、リメイク実行は少なくとも今月は無いです。
さて、閑話休題。本題に移ろう
今回紹介する漫画は「任侠沈没」だ。
タイトルから分かる通り任侠ものの漫画であり、日本文芸社刊「週刊漫画ゴラク」で昔連載されていた漫画だ。
ミナミの帝王とか連載している雑誌といえばだいたいわかると思う。
ジャンルをあえて言うならば「任侠アクションパニック」といったところだろうか。
ゴラクといえば、酒とヤクザと麻雀と女というイメージは多いかもしれないが、読んでみると、これでなかなか面白い。
そんな中でも、日本の暴力と退廃を描いた漫画を嫌う人にこそ読んで欲しい漫画といえる。
あらすじ
中央部播堂会粟侍連合会赤竜流若頭「大文字龍伍」は、組長の息子をケジメをつけるために斬殺した。
若頭の立場から、組に大きな損失を与えた人間を許すわけには行かなかったのだ。
また、組長「粟侍我竜」も、同じく組を束ねる立場として、息子を許すわけには行かず、龍伍に一任し、その場を去った。
ケジメをつけ、憂鬱な気分で家に戻った龍伍が見たのは、玄関先で惨殺された、妻と娘の姿だった。
泣き叫ぶ龍伍の目に飛び込んできたのは二人の亡骸のそばにおちていた、組長のライターだった。
自分の息子を殺した腹いせと報復だと気付いた龍伍は、組長(おや)殺しを決断し、会合のため東京に向かった組長の後を追う。
舎弟達を乗せたバスの中で組長殺しを宣言した次の瞬間、日本で天変地異が勃発した。
未曾有の大地震が発生し、大地が裂け、火山は噴火し、火柱が上がる。
火山弾の直撃でバスは全壊。
若頭補佐の「清川四郎太」と、舎弟頭の「佐藤米七」以外の舎弟は皆死んでしまうことになる。
米七が引き返すように進言するも、龍伍はそれでも組長を殺すべく、東京へと向かす。
全ては復讐のために。
狂い始める復讐劇
あらすじは、いかにもありがちな任侠とパニックのごちゃ混ぜのような作品のようだが、物語がすすめばすすむほど、何かがおかしくなっていく。
序盤の内は、崩壊した町でヤクザが町を牛耳るために、炊き出しでシャブ入りシチューを配っていたり、賭場でお金の代わりに野菜や女などの現物で丁半博打をやっていたりするのだが、途中から一気に世界観が暴走する。
伊豆アルカトラズから風に乗って脱獄する元鉄砲玉にして死刑囚「風野又三郎」の登場を皮切りに、物語は変な方向へと進み始める。
まず、一目見てわかるのが、主人公龍伍の知能指数の低下である。
序盤では、復讐に燃えてはいるが、知性を感じさせる佇まいだったのが、後半に入っていくにつれ、別人のようにアホになっていった。
冒頭
終盤
予め断っておくが、これでもまだましな部類であり、ところどころおかしな発言をしたりと、まるで別人のようになっているぞ。
風野又三郎を助けるための輸血のシーンは必見だ。
ぜひコミックで確かめて欲しい。
現在、コンビニで廉価版が発売されているぞ。
もしくは電子書籍でも購入できるが、廉価版には描き下ろしがあるのでどちらかと言うと廉価版のほうがオススメだ。
コミックスはかなり昔の本なので、古本屋にでも行かないと見つからないが、それ以前に見つけることが難しいレアな本となっている。
突っ込みどころは多いが、読んでいて凄くおもしろいので非常にオススメだ。
そもそも当ブログはアメコミのサイトだったはずだ。
なんでこんなもの日曜の朝っぱらから書いてるんだ。
なんでなんだ。
余談だが、この漫画はなんと映画化もしている。
田口トモロヲ 宮内知美 下條アトム 『任侠沈没』 予告編 - YouTube
見たこと無いからこっちのレビューはしません。
感想
ここまでバカバカしい漫画は初めて見た。
この一言に感想のすべてが込められる。
そもそも、やくざものとパニックものを融合させる時点でおかしいのだが、そんなことは些細な事であり、それ以上の突っ込みどころが休むまもなく押し寄せてくるので気にならなくなるのだ。
読んでて頭が悪くなりそうな錯覚を覚えるので、お金に余裕のある人は是非買ってみよう。