アメコミキャラクター紹介第15回:ホークアイ
今回紹介するヒーローは、「ホークアイ」だ。
映画、「アベンジャーズ」においては頼れる仕事人といった感じで凄くかっこよかったキャラクターだが、アメコミを読みまくってる人にとっては「キャラ違くね?」と言った感じのキャラだ。
オリジン
ホークアイは、本名「クリント・バートン」という。
幼いころ両親をなくし、孤児になった彼は、サーカスに引き取られることになる。
そこで弓の技術とアクロバットを習い、持ち前の才能もあり、メキメキと頭角を現し、いつしか世界で最も偉大な射手と呼ばれるほどにまで成長する。
そんなある日、アイアンマンが事件を解決するのを目の当たりにし、ヒーローになることを決断する。
こうして、クリントはホークアイになった。
しかし、その後はロシアの女スパイである「ブラック・ウィドウ」に惚れてしまい、すっかり騙されてしまってしまう。
そして、ブラック・ウィドウに仕事の手伝いを頼まれ、アイアンマンの正体であるトニー・スタークの家に忍びこむことになる。
その結果、ヴィランと判断され、アイアンマンにボコられる。
結局騙されていたとわかったので改めてヒーロー活動をしようと決めたホークアイは、地道に善行を積んだおかげで誤解も解け、アベンジャーズに入ることが出来たのだった。
ちなみに、ブラック・ウィドウもその後アベンジャーズに加入する。
映画で妙にいいコンビだったり、ホークアイが洗脳されて敵側に回っているのは、この設定が元になっているそうだ。
Clinton Barton (Earth-929) - Marvel Comics Databaseより。
昔はこんなアメコミらしいマスク姿だったが、今では
こんなにスタイリッシュになっている。
能力
ホークアイの能力はサーカスで鍛えた身体能力と、世界一の弓の腕。
それだけである。
しかし、それでも立派にヒーローをやっており、様々な仕掛け矢を使用することでスーパーパワーを使うヴィランと対等以上に渡り合っている。
他にも他のところにひっつく吸盤矢とか、爆薬が仕込んである爆弾矢など、ギミック満載。
また、格闘技術も高いので近接戦闘もそれなりにこなす。
他にも弓矢以外にも投擲技術に優れ、キャプテンアメリカの盾を本人と同じように投擲武器として使いこなしたこともある。
スーパーパワーがなくても戦えるということを体現した、まさに技巧派のヒーローといえる。
なお、一時期、弓矢ではなく日本刀を扱って忍者と戦っていたこともある。詳しくは後述。
ケツの青い若造から立派な大人のおっさんに
映画では渋いキャラだったが、原作では当初は自信過剰のお調子者であり、短気な若者だった。
「自分こそがリーダーに相応しい」と、キャプテンアメリカに何かと突っかかってきていたが、当初のホークアイはキャプテンアメリカに比べると、圧倒的に人望がなかった。
ちなみに来てくれたのは嫁さんのモッキンバード。「アベンジャーズ2」でも嫁がいたが本人かどうかは不明。
そんな彼だが、戦いの中で経験を積んでいき、次第に立派なヒーローへと成長していく。
二代目ホークアイである「ケイト・ビショップ」の師匠をしたり、別チームのリーダーをやっていたり、キャプテンアメリカが暗殺された後、二代目キャプテンアメリカにならないかとアイアンマンに提案されるも、彼に対する侮辱になるとし、これを辞退した利している。
これは、昔のような傲慢さが消え、成長をしていることを如実に表している。
そんな彼だが、仕掛け矢の整理整頓をサボった挙句どれがどれやらわからなくなったり、女の子に手を出したりと、私生活は割とだらしない。
よく死に、生き返り、名前が変わる
ホークアイも、実は結構名前がコロコロ変わっている。
ホークアイとしてデビューした後、一時期ピム粒子を使い、ピム博士の跡を継いだ「二代目ゴライアス」を名乗ったりしていた。
他にも、アベンジャーズ解散の原因となった事件では戦死してしまったが、その原因となったヒロイン「スカーレット・ウィッチ」の力により復活。
したと思ったらスカーレット・ウィッチによって殺される。
と思ったらまたスカーレット・ウィッチの力によって復活すると、頻繁にあの世を見ている。
また、生き返った後はスカーレット・ウィッチを探してイギリスを旅していた。
その間にアベンジャーズが再結成され、二代目ホークアイが誕生し、キャプテンアメリカが暗殺されていた。
その際に、ヒーローネームを「ローニン」と改め、反アイアンマン陣営「ニュー・アベンジャーズ」に加入する。
一番後ろの刀持った侍っぽい全身タイツが初代ホークアイことローニン
二代目に弓矢をゆずりはしたものの、未だに弓矢の腕は圧倒的に勝っており、師匠代わりとして二代目を鍛えていたりもする。
その後、なんやかんやあり、またホークアイを名乗りだす。
おすすめコミック
断然これ↓だ。
「ホークアイ:マイライフ・アズ・ア・ウエポン」は、ヒーローとして成長し、自信過剰な性格がなりを潜めた頃のホークアイのエピソードだ。
この作品は、いわゆるヒーローの日常ものだ。
弟子のケイト・ビショップとともに潜入捜査をしたり、安アパートを悪徳ブローカーから守ったり、野良犬を助けるために奮闘したり、テープを買いに行ったらカーチェイスをすることになったりと、コメディ色の強い一冊だ。
美女とベッドで楽しんだ後銃撃戦に巻き込まれるホークアイの図
この作品を一言で言うなら「オシャレ」である。
上手く表現できないが、アーチストの絵は非常にスタイリッシュであり、アメコミのようなくどさは少ない。
また、表現もどことなくオシャレであり、クールなBGMが似合いそうな一冊に仕上がっている。
個人的にこの作品で一番好きなシーン。ケイトがしゃべっている間に弓を放っているという図です。
また、ホークアイがすごくかっこいい。だらしないおっさんだけど渋さがあり、弟子の面倒を見ているところは実に大人の男である。よくその弟子に助けられてるけど。また、作中の
「キャプテンアメリカと一緒にいるとな、 誰もが最善を尽くさずにはいられなくなるんだ」
「彼がいると善人になりたくなるんだよ。本当さ」
「だが、気をつけろよ。いま、俺のそばにキャップはいないぞ」
というセリフは、かつて突っかかっていたキャプテンアメリカをいかに尊敬していたのかが分かるセリフだ。
本当に面白いし、かっこいい三枚目のおっさんが好きなのであればぜひとも買うことをおすすめする。